私と夫はお互い再婚同士です。なので当然2人とも前の相手が存在します。
私は元夫のことなど完全に吹っ切れていたのですが、夫はときどき「あれ?この人まだ元妻に未練あるのかな?」という発言をしていたので、その度に軽くショックで何も言えずにいました。
夫いわく、元妻は篠原涼子似の美人で料理が得意。デートの時にお弁当を作ってくれたそうです。
新居の片付けをしている時なんて、ひょっこり出てきた元妻の写真まで見せてくれました。
そのときはさすがに「何でこんなの見せるの!デリカシーなさすぎだよ!!」と、キレましたが。
しかしそれも全て過去のこと。
もう気にするのは止めようと思っていた矢先、その元妻に偶然出くわしてしまったのです。
目 次
わたしと元妻の名前が一文字違い
夫が元妻と離婚したのは、私と出会う5年前のことでした。
元妻は夫の他にも付き合っていた男性がいたようで、二股したまま夫と結婚。
夫は自分の他に男がいるとは少しも疑っていなかったので、頻繁に隣県の実家へ里帰りする元妻をほいほい許していたそうです。
結婚して2か月くらい経ったある日のこと、元妻が実家へ行ったきりなかなか戻ってこないから夫が迎えに行ったら…
そこで浮気相手と一緒にいるところを見てしまい、離婚に至りました。
結婚してからわずか3か月というスピード離婚だったことから、夫一家の受けたダメージは大きかったようです。
義母さんは、5年経っても元妻の名前と誕生日を忘れられずにいました。
私はそんな元妻と何の因果か名前が一文字違い、誕生日もちょうど1か月違いです。
夫と再婚したばかりのある日、義母さんから電話があり、
「マミコさん、お誕生日おめでとう」
と言われて絶句しました。
私の名前はマミで、マミコは元妻の名前です。しかも私の誕生日は来月なのに! でもこのまま黙っているのも悔しいので、
「お母さん、マミコは前の人の名前ですよ。それと誕生日も私は来月です」と言うと、義母さんは電話の向こうでオロオロして、
「ごめんなさいね…やだ私、間違えちゃった…どうしよう、ごめんなさいね」と何度も謝ってました。
悪気はないと思うけれど、それからも度々「マミコさん」と私を元妻の名前で呼ぶので夫に相談したら、
夫は困った顔をして「お袋は天然だから仕方ないよ。俺からは何も言えない」と言って取り合ってくれないので、更にモヤモヤしていました。
元妻とまさかの遭遇:夫の反応
結婚して3か月くらい経ったある日、夫と紅葉が見どころの隣県の観光地へ出掛けました。
隣県には元妻の実家があるけれど、その観光地は元妻の実家から遠いところにあるから大丈夫だろうと思っていました。
美しい紅葉を眺めて写真を撮って楽しんだ後、お土産物屋さんへ入ったときのことです。
「いらっしゃいませー」と声をかけてきた女性店員の顔を見た瞬間、夫が固まりました。
「あれ?もしかしてタカシだよね?」と言うその店員の顔をよく見ると、あの写真に写っていた元妻でした。
ぎょっとして固まる夫を後目に、私はどうしたらいいのか動揺する頭で必死に考えました。
元妻に「彼女?」と聞かれて
「いや、ちがう」と夫は答えたけれど、それが精一杯。
「ふーん、奥さんか。結婚したんだね」と元妻。
私に挨拶をするように会釈しながら、上から下まで値踏みするようにじろじろ見てきました。
私は緊張と腹立たしさで心臓がバクバクしながらも強い口調で
「こんにちは、タカシの妻です。タカくん、もう行こう」と言って、まだ固まっている夫の手を掴み、出口の方へと引っ張っていきました。
元妻に出くわした後:私の怒りが爆発
「あの人マミコさんでしょ?何でちゃんと私のこと【俺の妻】って言わなかったの?」車に乗るやいなや、私は夫に怒りをぶつけました。
すると夫は「ごめん…まさかあいつがいるとは思わなかったから、とっさに機転がきかなかった」と。
「機転じゃないよっ!篠原涼子に全然似てないし、美人でもないし、ただのオバサンじゃん!なんであの人に遠慮するの?」
今まで溜まっていたうっぷんが爆発しました。
「大体さぁ、元奥さんは美人なんだと何度も褒めちゃって、私に写真まで見せて、そんなにあの女がいいの?酷い事されたくせに、本当はまだ未練タラタラなんじゃないの?」
「ちがうよ!!嫁さんにはもう何も無いって!」
「は?嫁さんって…何であの女が嫁さんなの?私が嫁だよね、何言ってるの!!」
「ごめん、それは…」
怒りと悔しさでいっぱいになり、車のシートを思い切りドンと叩きました。
「ひどいよ!!もう、いい!!!」
「ご、ごめん!」
それから夫は必死で謝ってきたけれど、私は一言も口を聞く気になれませんでした。
はじめての夫婦の危機から仲直り
それから数日、夫とは口をきかずに過ごしました。
本当は実家に帰りたいくらい腹が立っていたけれど、結婚する時に仕事も辞めてしまっていたし、再婚を喜んでくれた親を心配させるわけにはいきません。
夫はそんな私にどう接したらいいのか分からず、顔色を伺ったり、コンビニのスイーツでご機嫌を取ったり、腫れものに触るような対応をしてきました。
それから1週間くらい経った夕方、夫が仕事帰りにビールを6本買って帰ってきました。
今日はご機嫌取りではなく「このまま夫婦関係が壊れるのは嫌だから、きちんと話がしたい」と。
夫の言い分はこうでした↓
- 元妻に未練は一切ないこと
- 元妻を褒めたのは自分のプライドを保つためだったこと
- 元妻を「嫁さん」と言ってしまったのは独身時代のクセで、妻だと思っている存在は私だけということ
- 写真を見せたのは、全てをオープンにするのが誠実だと思っていたから
「本当に色々ごめん!俺が全部悪かった。だからもう一度やり直してください」夫はそう言うと、私に頭を下げました。
「元奥さんがいい人ならともかく、あの人は最低な人だよね。そんな人を二度と褒めないで!話題にもしないと約束して!」
「わかった、約束するよ」
それから二人でビールを飲んで…と言うより私が一人で5本飲み干して、酔っ払って寝落ちするまで、夫に延々と説教していたようです。
夫はそれを黙って聞き、私に謝り続けていたと後で知りました(← 酔いつぶれて覚えていない)。
お互いの気持ちは言葉にして伝えることが大事
あれから14年、もう誰も私の名前を間違えないし、夫も元妻の話をすることはありません。
自分の気持ちは言葉にしないと相手に伝わらないものです。
夫婦の気持ちがすれ違った時、怖くても面倒でも自分と相手の気持ちに向き合って、お互い納得いくまで話し合うことが一番大切なんだと、この一件で気が付きました。
夫は不器用な人ですが、そんな夫の精一杯の誠意ある対応により、はじめての夫婦の危機を乗り越えることができたと思っています。
この記事を書いた人
はやしまみ
紆余曲折を経て、今は仲良し夫婦。結婚生活だけでなく人生色々あるものですが「明るくとことん前向きに」をモットーに生きています。
素敵な夫婦ですね。私は最近、再婚したんですが、子なし元嫁が、彼氏の子供を産み、捨てられて、旦那に助けをもとめ、同じマンション内に住み、旦那が援助しています。いつまでも働かず、このままずっと援助する気かとおもうと、嫌気がさし、離婚考えています。そのような夫婦になりたいと思い、再婚に踏み切ったのに。。