私が育児休暇から職場復帰をしたのは、上の子が3歳、下の子が1歳になり保育園に入園した春のことでした。
夫と私は一部上場のいわゆる大手企業に勤めており、残業三昧ということもなければ、有給休暇は前もって予定しておけば消化できるような一般に言う「よい会社」です。
上司が「復帰後はチームでサポートする」と言ってくれ、職場が保育園から近かったことから、フルタイムで復職することになりました。
だからこそ私も夫も「我が家は共働きでも問題ない」と安易に思っていたのかもしれません。
しかし、その予想は復帰後1ヶ月も経たずにボロボロに崩れ去るのでした。
共働きをしながら子供を育てるということは 夫婦にとって大きな試練です。
私が体験した育児と家事のトラブルと、私たち夫婦が決めたルールをお伝えしたいと思います。
目 次
共働き育児のトラブル:すぐに発熱する子供たち
うちの子供たちは病弱な方ではなく、保育園に入るまでは年に数回熱を出す程度でした。
しかし 保育園に入ってからというものほぼ毎週発熱。
その度に私は休みを余儀なくされ、20日あった有給休暇は、最初の1ヶ月で半分も消化してしまったのです。
3年半も育児休職をしていたため、ほとんどの同僚は異動してしまっていて、部署内の仕事のやり方も以前とはかなり変わっていました。
なので一刻も早く仕事を覚えないことには使い物になりません。
ちゃんと仕事を覚えたいのに、新しいことを教えてもらってもまた休まなきゃで、次に出勤したときには忘れている…本当に不甲斐なさでいっぱいでした。
そしてこの頃、夫への不満も溜まっていたのです。
共働きなのに子供の熱で休むのは私(妻)ばかり
夫は子供の熱があっても「じゃあ」と言って、さっさと出勤してしまいます。
熱があれば私が休むのが当然だと思っているのです。
それに子供一人が発熱しても、もう一人の保育園送りはしてはくれません。「仕事休むんだから行けるでしょ」と。
さらに「休んでるから」という理由で家事も私。
もちろん普段の家事も「早く帰って来てるんだから」という理由で私が1人で担っていました。
共働き育児と家事:夫への不満が爆発
私は自分ばかりに家事と育児の負担がのしかかっていることに不満で、我慢も限界でした。
ある朝、息子が熱を出したときに夫に言いました。
「ねえ 熱があるみたいだから、今日はあなたが休めない?」
すると夫は…
「なんで?俺は会議があるから無理だよ。君が休んでよ。子供の熱なら休めるでしょ?」
ここで私のモヤモヤは爆発!
「どうして私は育児が第一、あなたは仕事が第一なの?共働きでお互いフルタイムなんだから、私も仕事に目を向けていいはずでしょう?
仕事を覚えなくちゃいけない時期なのに満足に出社できず、もう有給を半分も使ってしまってるの。
このままだと夏ごろからは子供たちに何かあっても、あなたに休んでもらわなくてはいけなくなるよ。それとも有給がなくなったら仕事辞めればいいの?」
ほとんど息継ぎもせずに話したので息が切れ、涙が溢れていたようです。
夫は困った顔をしていましたが「わかった、会社に連絡する」と言ってその日は休んでくれました。
家を飛び出して会社に向かい、昼間は仕事に集中していたものの、休み時間や帰りの電車の中では、悔しさとやるせなさが押し寄せてきました。
「もう仕事を辞めるしかないかもしれない。このままでは続けられない。夫には私の働きたい気持ちを理解してもらえないんだ」
共働き育児と家事:夫の気づき
自宅に帰ると、夫と子供たちが3人で夕飯を食べていました。夫が下の子のお迎えにも行ってくれたようです。
夕飯は買ってきた惣菜とおにぎりでしたが、息子は大好きな鮭のおにぎりを喜んで食べていました。
「おかえり」
夫にそう言われたとき、新鮮な気持ちになりました。「おかえり」なんて言われるのは、子供を産んで以来初めてだったのです。
「今朝はごめんね」
夫は静かに切り出しました。
「君には働いてほしいと思ってる。仕事が好きだから辞めたくないって言ってたから辞めないでほしい。
育休の間、家のことも子供のこともずっと任せていたから、ついそのままでいいものだと甘えてしまった。
今日は子供を小児科に連れて行ったり、昼間は鼻づまりでずっと泣くしですごい大変だった。家のことも全然できてない。ナメてた。ごめん」
私がここ1ヶ月ずっと我慢して言えなかったことを、夫は1日の休みで理解してくれたのです。
私が仕事を辞めるしかないんだと思っていたので、心底ほっとしました。
共働き育児と家事:私たち夫婦が決めたルール
その日私たちが話し合って決めたルールは3つあります。
- 子供の熱で仕事を休むときは基本的に順番にする(無理な場合は次回2回休む)
- 家事は平等にやる、遅く帰ってきた方はお風呂の掃除をして翌日の給湯予約設定をする
- 子供の行事の予定は共有カレンダーに入れ、どちらが参加できるかをその都度話し合う
このルールのおかげで、お互いに「そっちがやるのが当たり前」という意識がなくなりました。
やってくれたら「ありがとう、次は自分がやるね」という気持ちでいます。
最初からこのルールを決めておかなかったことが一番の反省点ですが、何を隠そう私も夫も共働き育児&家事をナメていたのです。
それに お互いに通じ合っている、わかりあっている、なんて勘違いしていたのです。
でも実際には「言わないとわからない」ものですね。
私の不満は言わなければ夫には伝わらなかったし、夫が「育休中と同じようにできるでしょ」と思っていることも、私はまったく知らなかったのです。
言葉にして伝えることと、相手の状況を想像することって大事なんだと思いました。
それから数年経ちましたが、私はまだ仕事を続けています。
子育ても少し楽になり、子供たちを寝かしつけた後2人で晩酌をするのが幸せなひとときです。
この記事を書いた人
みゆき
大手インフラ業勤務のフルタイムワーママ、6歳と4歳の子を育てている。座右の銘は「相手と自分は結局他人」。